ロマネスク様式の特徴や建築技術の名称と代表的建造物の一覧

ロマネスク様式は、主に西洋建築における10世紀~12世紀頃の様式です。
ロマネスク様式は、10世紀後半から12世紀にかけてヨーロッパで発展した建築様式です。

ロマネスクは「ローマ風の」という意味を持ち、古代ローマ建築の要素を受け継ぎつつ、中世キリスト教の影響を受けた重厚な建築様式が特徴です。

石造りの厚い壁や小さな窓、半円アーチ構造の天井などが特徴で、扉の上の半円形のティンパヌムや柱頭にレリーフが描かれています。

ロマネスク様式の特徴

分厚い石造りの壁

建物の構造を支えるために厚い壁を採用し、要塞のような重厚感があります。

半円アーチ(ローマ風アーチ)

扉、窓、天井に半円形のアーチが使用されています。

ゴシック様式の尖頭アーチとは異なり、シンプルで力強い印象があります。

小さな窓と暗い内部

壁が厚いため、窓は小さく、内部はやや暗い構造になっています。

交差ヴォールトの天井

初期のロマネスク建築は木造天井が多かったですが、後に交差ヴォールト(クロス・ヴォールト)が導入され、耐久性が向上しています。

ティンパヌム

古代ギリシャのペディメントの彫刻からインスピレーションを受け、ロマネスク様式または後のゴシック様式の教会の正面の扉の上部にレリーフで装飾したもの。

アーキヴォールトとヴシュール

アーチ型の開口部の縁に沿って設けられる帯状の縁取りです。
ロマネスク以降、扉や窓で構造の段差を強調し、装飾や象徴性を担う要素として発達しました。

アーキヴォールトの本数や深さ部分をヴシュール(Voussure)という。

プロティロ


イタリアのロマネスク建築で見られる、扉口に張り出した建築構造のことです。

簡単に言えば、ごく浅いポルチコのような構造体です。

ロンバルディア装飾


ロンバルディア装飾は、11世紀ごろ、イタリアのロンバルディア地方の建築家が考案したとされる、壁面の凹凸のみで表現される浅めのブラインドアーケードです。

トレフォイル・カトルフォイル

トレフォイル(三つ葉)や、カトルフォイル(四つ葉)のモチーフは、ロマネスクの頃から使われはじめます。

ブラインドアーケード

ブラインドアーケードは、複数のブラインドアーチを連続させ、柱やピラスターで区切られた構造物です。

ロマネスク建築で様式的に確立されました。

ロマネスク様式の派生や内包様式

ロンバルディア・ロマネスク

ロマネスク以前にイタリアで支配的だったロンバルド王国から影響された初期ロマネスク。

ブリックロマネスク

北ヨーロッパでは、レンガを使ったロマネスク様式である、ブリックロマネスク様式が見られる。

ノルマン様式

フランスの北西部にあるノルマンディー地方のノルマン人が、イングランドを征服したことによってイギリスで広まった、通称イギリスロマネスク様式をノルマン様式という。

ロマネスク様式の有名な建造物一覧

ピサ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 ??? - 11〜12世紀頃
着工当時の国名 ピサ共和国
現在の国名 イタリア 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

ピサの斜塔(鐘楼)とセットで有名で、白大理石を用いたファサードが特徴です。

当時はピサ共和国と思われる。


クリュニー修道院

現様式着工年 - 完成年 909年 - 1220年
着工当時の国名 ブルグント王国
現在の国名 フランス 
建築分類 修道院
建築様式 ロマネスク様式

ロマネスク建築の最大級の修道院。

当時のキリスト教世界で最も影響力のある修道院の一つです。


マインツ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 10世紀頃 - 975年頃
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

改修のため、ゴシック様式や、屋根などバロック様式が混じっている。


ヴァヴェル城

現様式着工年 - 完成年 970年頃 - 970年頃
着工当時の国名 ポーランド王国
現在の国名 ポーランド 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

クラクフにあるポーランド王の居城。
970年にロマネスク様式で建設され、14世紀にゴシック様式で拡大された。
左に見えるのはヴァヴェル大聖堂。


シュパイヤー大聖堂

現様式着工年 - 完成年 1030年 - 1061年
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

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ヴィアンデン城

現様式着工年 - 完成年 11世紀 - 14世紀
着工当時の国名 ドイツ(現在の国と同じ)
現在の国名 ルクセンブルク 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

建設時は神聖ローマ帝国のヴィアンデン伯領(独立性は高かったと思われる)。


バンバラ城

現様式着工年 - 完成年 11世紀頃 - 11世紀頃
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ロマネスク・ノルマン様式の形の整った要塞。

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マリア・ラーハ修道院

現様式着工年 - 完成年 11世紀 - 12世紀
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 修道院
建築様式 ロマネスク様式

モンサンミッシェル

現様式着工年 - 完成年 11世紀 - 13世紀
着工当時の国名 フランク王国
現在の国名 フランス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

干潮時に陸続きになる修道院と城塞が融合した建築。
ロマネスク様式とゴシック様式が織り混ざっています。
当初は8世紀に建てられたが、その後増設。


ホーエンザルツブルク城

現様式着工年 - 完成年 1077年 - 12世紀頃
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 オーストリア 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ザルツブルクの丘の上に建つ壮大な要塞。


セント・オールバンズ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 1077年 - 1089年
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

元修道院教会の現大聖堂。

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ロンドン塔

現様式着工年 - 完成年 1078年 - 1100年頃
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ノルマン様式(イギリス・ロマネスク様式)。


サン・セルナン教会

現様式着工年 - 完成年 1080年頃 - 13世紀末
着工当時の国名 フランス王国
現在の国名 フランス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

着工時はフランス王国内のトゥールーズ伯領。
トンネルヴォールトが残る教会。
サン・セルナンは、トゥールーズの最初の司教「聖サトゥルニヌス」のこと。

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ロチェスター城

現様式着工年 - 完成年 1089年頃 - 1127年
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ノルマン様式。
奥に見えるのはロチェスター大聖堂。


ダラム大聖堂

現様式着工年 - 完成年 1093年 - 13世紀
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

イギリス・ロマネスク(ノルマン様式)の代表例。
ノルマン様式は、イギリスで発展したロマネスク様式の一つです。
交差ヴォールト天井を本格的に採用しています。

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グーテンベルク城

現様式着工年 - 完成年 1100年頃 - 12世紀
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 リヒテンシュタイン 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

教会を改築して城になった。


エルツ城

現様式着工年 - 完成年 12世紀初頭 - 12世紀
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

山奥にたたずむ中世そのままの美しい城。
ロマネスク様式だが、増築を繰り返しゴシック様式でもある。

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リーズ城

現様式着工年 - 完成年 1119年 - 1278年
着工当時の国名 イングランド王国
現在の国名 イギリス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ロマネスク様式のイギリス派生であるノルマン様式。
6人のイングランド王妃が暮らしたことから、貴婦人の城と呼ばれる。

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サント=マドレーヌ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 1120年 - 1190年
着工当時の国名 フランス王国
現在の国名 フランス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

フランス中部ヨンヌ県の町ヴェズレーの中心的な丘の上にあるバシリカ式教会堂です。
ロマネスクと一部ゴシック様式。

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コンタル城

現様式着工年 - 完成年 12世紀 - 12世紀
着工当時の国名 フランス王国
現在の国名 フランス 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

城塞都市カルカッソンヌにある城。
フランス王国とは独立して統治されていた封建領であるトゥールーズ伯領の城塞都市。

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サン・ルフィーノ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 1140年 - 13世紀頃
着工当時の国名 ローマ教皇領
現在の国名 イタリア 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

綺麗なロマネスク様式の外観。

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サン・マロ大聖堂

現様式着工年 - 完成年 12世紀 - 15世紀
着工当時の国名 フランス王国
現在の国名 フランス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

サン=マロにある大聖堂。サン・ヴァンサン大聖堂とも。
サン・ヴァンサン(聖ウィンセンティウス)は、4世紀初頭のスペインで殉教した聖人。
ロマネスク様式とゴシック様式。

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サン=トロフィーム教会

現様式着工年 - 完成年 12世紀 - 15世紀
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 フランス 
建築分類 教会・大聖堂
建築様式 ロマネスク様式

ファサードや回廊のコロネットが有名。
着工時の12世紀時は、神聖ローマ帝国のプロヴァンス伯領。
テラスのある教会。

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マルクスブルク城

現様式着工年 - 完成年 12世紀頃 - 12世紀頃
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

ロマネスク様式とゴシック様式。

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ボイニツェ城

現様式着工年 - 完成年 12世紀 - 12世紀
着工当時の国名 ハンガリー王国
現在の国名 スロバキア 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

丘の上にある綺麗な城。

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ヴァルトブルク城

現様式着工年 - 完成年 12世紀頃 - 12世紀頃
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

12世紀建築当時は、神聖ローマ帝国のテューリンゲン方伯領と思われます。
度重なる増設など有り。


プラハ城

現様式着工年 - 完成年 12世紀 - 12世紀
着工当時の国名 ボヘミア公国
現在の国名 チェコ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

世界最大級の城で、チェコ大統領の公邸。
城だが、敷地内に大聖堂があったりする。

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クーフシュタイン城

現様式着工年 - 完成年 13世紀頃 - 13世紀頃
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 オーストリア 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

中世の軍事要塞で、現在は博物館として公開。
建設当時は、神聖ローマ帝国における構成国であるバイエルン公国だったと考えられます。


ハイデルベルク城

現様式着工年 - 完成年 1225年頃 - 13世紀初頭
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

部分的に何度も建て替えられ、ロマネスク様式、ゴシック様式、ルネサンス様式が混在します。

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ザバブルク城

現様式着工年 - 完成年 1334年 - 1336年
着工当時の国名 神聖ローマ帝国
現在の国名 ドイツ 
建築分類 要塞・城・城館
建築様式 ロマネスク様式

着工時の1334年は、神聖ローマ帝国のマインツ大司教領で、キリスト教の巡礼者のために建てられた城。
グリムの兄弟童話『眠れる森の美女の城』のモデルとして有名。

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