ローマ様式の特徴や建築技術の名称と代表的建造物の一覧

ローマ様式は、主に西洋建築におけるBC.3世紀~AD.5世紀頃の様式です。
ギリシャ建築を芸術的な模範として受け継ぎつつ独自に発展させたロ ーマ建築は、円形闘技場や公共浴場、水道橋などの公共施設が特徴です。

ローマ建築の柱の様式

ギリシャ様式のドーリア式、イオニア式、コリント式に加え、
  • コンポジット式(複合式)
  • トスカーナ式
が誕生しました。


トスカーナ式 ドーリス式
イオニア式 イオニアモダン式
コリント式 コンポジット式

コンポジット式(複合式)

コンポジット式は、イオニア式の渦巻きとコリント式の葉飾りを組み合わせた柱です。

装飾性が非常に高く、ローマ帝国の華やかさと力強さを兼ね備えた権威や格式を象徴するデザインです。

トスカーナ式

トスカーナ式は、簡素で力強い様式です。

柱は無装飾の円柱で、柱頭や柱脚もシンプルにまとめられており、実用性重視の建物や軍事施設、橋梁などで好まれました。

古代ローマの特徴

ローマ式コンクリート

地形や環境的に恵まれていたローマ独自のコンクリート(ローマ式コンクリート・ローマンコンクリート)によって、様々なローマ独自の建築が建てられました。

アーチ・ヴォールト・ドーム

ア ーチ構造やドーム天井、ヴォールト(穹窿)などを使い、より広い空間を作ることが可能になりました。

古代ローマの建築のパーツの名称

ブラインドアーチ

ブラインドアーチは壁面に開口を設けず、アーチ形の凹みだけを施した装飾的要素です。

構造的な役割はほとんどなく、壁の単調さを和らげ、見た目のみの目的で用いられます。

起源は古代ローマにありますが、ロマネスク時代に広く普及しました。

エディキュラ

エディキュラは、壁面に立体的に造形された祭壇のことです。

ペディメントやピラスターを持ち、壁のニッチ部に彫刻が配置されたものが多く、古代ローマに起源を持ち、その後、宗教建築などに多く用いられました。

メダリオン

彫刻が施されたメダル型の小型のもの。

古代ローマの公共施設建築

フォルム

フォルムは古代ローマ都市の公共広場のことで、フォーラムともいい、広場を意味する「forum」の語源です。

マケッルム

マケッルムは、食料品や日用品を売る屋内市場で、柱廊で囲まれた中庭形式が一般的です。

タベルナ

タベルナは商店や店舗のことで、街路に面した一階部分に設けられることが多いです。

簡単な柱やアーチで開口部を作り、商品販売や小規模な商業活動に使われました。

都市部では住宅の一階に併設されることも多く、現代のショップや商店街の原型といえます。

古代ローマの住宅建築

ドムス


ドムスは、ラテン語で家屋または家庭を意味し、上流階級および中流階級の自由市民が住んでいた住宅です。

インスラ


ローマの港町オスティアにあった紀元2世紀初期のインスラ


インスラは、ラテン語で借家を意味する、プレブス(下層階級)やエクィテス(中流階級)のローマ人が住んだ大規模なアパート、賃貸集合住宅のことです。

ウィッラ

ウィッラは、ローマ市民の郊外住宅や別荘を指し、農地や庭園を伴う大規模な敷地が特徴です。

居住空間だけでなく、プールや温浴施設(テルマエ)、食堂や中庭を備えるなど、快適さとステータスの象徴として設計されました。

都市を離れた余暇や農業、社交の場として機能しました。

ローマ様式の有名な建造物一覧

パンテオン

現様式着工年 - 完成年 ??? - 紀元前25年
着工当時の国名 ローマ帝国
現在の国名 イタリア 
建築分類 神殿
建築様式 ローマ様式

ローマ神殿で、世界最大級のコンクリート製ドームを持ちます。

フランスのパリにも同名の建物がありますが、別のものです。

 「パンテオン」を詳しく見る


コロッセオ

現様式着工年 - 完成年 ??? - 80年頃
着工当時の国名 ローマ帝国
現在の国名 イタリア 
建築分類 その他
建築様式 ローマ様式

世界最大の円形闘技場で、剣闘士の戦いや劇が行われました。

アーチ構造を駆使し、最大約5万人を収容可能です。

階ごとに異なる柱頭デザイン(ドーリア式、イオニア式、コリント式)がされています。


カラカラ浴場

現様式着工年 - 完成年 ??? - 216年
着工当時の国名 ローマ帝国
現在の国名 イタリア 
建築分類 その他
建築様式 ローマ様式

巨大な公衆浴場(テルマエ)で、温水・冷水プール、運動場、図書館などを備えていました。

現代のスパ施設の元祖ともいえる建築です。


コンスタンティヌスの凱旋門

現様式着工年 - 完成年 ??? - 315年
着工当時の国名 ローマ帝国
現在の国名 イタリア 
建築分類 その他
建築様式 ローマ様式

皇帝コンスタンティヌス1世の勝利を記念して建設されました。

古代ローマの芸術と建築技術の集大成です。

フランスのパリに建設されたカルーゼル凱旋門のモデルにもなっています


ローマ水道橋

現様式着工年 - 完成年 ??? - 紀元前312年から各地へ
着工当時の国名 ローマ帝国
現在の国名 イタリア 
建築分類 その他
建築様式 ローマ様式

フランスに現存するローマの水道橋で、アーチを三重に組み合わせた構造で、高い耐久性を持ちます。


ディオクレティアヌス宮殿

現様式着工年 - 完成年 3世紀 - 4世紀初頭
着工当時の国名 古代ローマ
現在の国名 クロアチア 
建築分類 宮殿
建築様式 ローマ様式

後に改築などはされたが、ローマ様式が残る貴重な建築物。